去る5月30日(火)は久々に天候にも恵まれ、5才の孫(男)の大好きなSLが毎日運行されている「大井川鉄道の旅」に出かけた。
米原から新幹線で静岡県の掛川へ、ここで東海道線に乗り換えて2つ目の金谷駅で降り、目的の大井川鉄道のSLに乗り込んだ。
平日なので空席が多いのかと思ったが、予想に反して乗車率は7〜8割もあり、更に予想外だったのは子供の乗車率が意外と低く、ほとんどが中高年の人たちであった。
アプト式機関車とトロッコ電車 | 大井川鉄道のSL |
客車は昭和30年前後の「オンボロ」が4両、汽笛一声出発し、ゆっくり、ゆっくりとした終着「千頭駅」までの昔懐かしい1時間余りのSLの旅であった。大井川沿いを平均時速30~40km程度で上っていき、それこそ「トンネル・鉄橋、トンネル・鉄橋」という歌の文句そのもので、周囲に見える茶畑が印象的であった。
終着「千頭駅」で、更にその先の山道を登る「南アルプスあぷとライン」に乗り換えた。
「南アルプスあぷとライン」は「千頭駅」から終着「井川駅」までの全長25.5kmを走るトロッコ電車であり、途中の「アプトいちしろ駅」と「長島ダム駅」間は90/1000という急勾配(1000m走る間に90m上る)で、日本で唯一のアプト式レールが敷かれており、それぞれの駅でアプト式専用の機関車を連結、切り離しを行なう1区間であった。
(注)アプト式鉄道:歯車を使って急坂を登る特種鉄道で、2本の線路の間に歯車用のレールを付けたもので、急な坂を専用機関車を連結し力強く登っていくもの。
「長島ダム駅」で降り、大量の水を放出している「長島ダム」を見学した後引き返し、途中の「奥泉駅」からバスに乗り、それこそ片側は断崖絶壁という狭い道を揺られ、30分で宿泊地の「寸又峡温泉」に到着した。
長島ダムの放水 |
早速宿の温泉に入ったところ、聞いていた通りのヌルヌルした肌触り(美容効果大とのこと)の温泉であり、内風呂に続くこぢんまりとした露天風呂が印象的であった。夕食は山の幸を中心としたものが多く出され、就寝前に再度温泉にゆっくりと浸かり、一日の疲れを取ることができた。
翌日も朝から絶好の天気で、朝風呂に入った後朝食をとり、11時半のバスの発車時刻までの約3時間、宿の主人の勧めでハイキングコースである「寸又峡プロムナードコース」に出かけた。途中アップダウンがかなり激しいため、5才の子供にはどうなるかと心配されたが、一部急坂で背負って歩いた以外は頑張って無事踏破することができた。
特に途中、湖をまたぐ高さ8m、長さ90mの「夢の吊り橋」が印象的であった。足元の湖がいやでも目に入り、ゆらゆら揺れる状況にあり、途中で引き返す男性なども見られたが、子供には「恐いもの知らず」という特権があるようで、喜んで2往復もしていたのには驚かされた。
夢の吊り橋への山道 | 夢の吊り橋(山の上から |
夢の吊り橋を渡る |
天候に恵まれた2日間、SLとアプト式鉄道に乗り、温泉に入り、大自然に囲まれた中でのハイキングは、必ずや孫にとって思い出多いものとなったことであろう。 06.06.08 守山裕次郎